コンデンサは学校で習ったけど、
動作原理がいまいちわからないと感じたことはありませんか?
誘電体と言われてもピンとこない
実際にどうやって使うのか分からない
そんな疑問を、この記事でやさしく解説していきます。
この記事では、コンデンサの仕組みから役割まで、
イメージを使って分かりやすく解説します。
この記事を書いている私は、ディスプレイ用ICの開発を20年近く行ってきました。
実務での経験をもとに、コンデンサの仕組みをできるだけイメージで分かるように解説していきます。
この記事でわかること
- コンデンサの基本的な仕組み(イメージで理解)
- コンデンサが回路で果たす役割
- コンデンサの使われ方
コンデンサの基本的な仕組み(イメージで理解)
コンデンサは、電気を通さない「絶縁体」を中心にした構造になっています。
ここでいう絶縁体とは、電気を流さない性質をもつ物質のことです。
たとえば、セラミックや紙、ガラスなどがこれにあたります。
絶縁体は電気を通さない性質があるため、電圧をかけても、基本的に電流は流れません。
それにもかかわらず、コンデンサには電気がたまっていきます。
これは、絶縁体の両側に電気が引き寄せられて集まるためです。
たとえば、冬に静電気でバチッとくることがありますが、これは服などに電気がたまっている状態です。
コンデンサでも同じように、電気がその場に「たまる」現象が起きています。
コンデンサの構造ですが、この絶縁体を金属の板で挟んだ構造になっています。
そして、この絶縁体の種類によって、どれくらい電気をためられるかが変わるのも特徴です。
教科書などで「誘電体」という言葉を見たことがあるかもしれませんが、これはこの絶縁体のことを指しています。
この記事では、まずは
「誘電体=電気をためる役割を持った絶縁体」
くらいの理解で問題ありません。

コンデンサの仕組みは、「水タンク」にたとえるとイメージしやすくなります。
電気回路における電圧は水圧、電気の量(電荷)は水の量として考えると、コンデンサは水をためるタンクのような存在です。
水タンクは、水を流し込むと中に水がたまり、必要に応じて外に出すことができます。
同じようにコンデンサも、電気を一時的にためて、必要に応じて放出することができます。
以下の図でイメージすると分かりやすくなります。

コンデンサが回路で果たす役割
コンデンサは、電気を一時的にためて、必要に応じて放出することで、回路の動作を安定させる役割を持っています。
ここでは、代表的な役割を見ていきます。
電気をためる
コンデンサは、電気を一時的にためておくことができる部品です。
たとえばカメラのフラッシュでは、あらかじめ電気をためておき、シャッターにあわせて一気に放出することで強い光を出しています。
また、電源の補助としても使われます。
電源が不安定になり一瞬だけ落ちる場合があるのですが、コンデンサを入れておくことで、コンデンサにためた電気を使って、一瞬ですが電源を支えることができます。
このように、コンデンサは電気を一時的にためて、必要なときに放出するという基本的な役割を持っています。
電圧を安定させる(ノイズの除去)
回路では、電圧が常に一定とは限らず、意図しない電圧のゆらぎ(ノイズ)が含まれることがあります。
コンデンサは、電圧が高くなると電気をため、電圧が低くなると電気を放出することで、こうした電圧の変動を小さくします。
ここで、「電源があれば十分ではないか」と思うかもしれません。
しかし、回路は電源から離れた位置に配置されることが多く、ノイズが発生した瞬間に、電源からの供給が間に合わないことがあります。
そのため、コンデンサを回路の近くに配置することで、電気をその場で出し入れできるようにし、電圧の変動を抑えます。
イメージとしては、水タンクが水をためたり出したりすることで、水圧の変化をなだらかにするのと同じです。
以下の図でイメージすると分かりやすくなります。

タイミングを作る(応用)
コンデンサは、電圧をかけると電気がたまるまでに時間がかかるという性質があります。
この性質を利用することで、回路の動作タイミングを制御したり、一定の周期で動作する仕組みを作ることができます。
たとえば、コンデンサに一定の電流を流すと、時間とともに電圧が変化します。この変化を利用して、時間の経過を作り出すことができます。
この特性を使うことで、発振回路などが作られ、回路の動作タイミング(クロック)として利用されることがあります。
このように、コンデンサは時間に関わる動作にも利用されます。
コンデンサの使われ方
コンデンサは、電子回路のさまざまな場面で使われており、ほとんどすべての電子機器に使われていると言っても過言ではありません。
ここでは、これまでに説明した役割が、実際の回路の中でどのように使われているのかを見ていきます。
電源回路(電圧の安定化)
電子機器の電源回路では、ほぼ必ずコンデンサが使われています。
電源から供給される電圧は常に一定とは限らず、負荷の変化やノイズの影響で変動することがあります。
そこでコンデンサを入れることで、電圧のゆらぎを抑え、安定した電圧を供給できるようにしています。
特にICの近くには、小さなコンデンサが配置されていることが多く、これは電源の変動をその場で補うためです。
タイミング回路(時間の制御)
コンデンサは、時間に関わる回路でも重要な役割を持っています。
電気がたまるまでに時間がかかる性質を利用して、一定時間後に動作する回路や、一定の周期で動作する回路が作られます。
タイマーや発振回路など、時間を扱う回路で広く使われます。
エネルギーの蓄積(瞬間的な放出)
コンデンサは、電気を一時的にためておくことができるため、瞬間的に大きな電力が必要な場面でも使われます。
たとえばカメラのフラッシュでは、あらかじめ電気をためておき、必要な瞬間に一気に放出することで強い光を出しています。
まとめ
コンデンサは、電気を一時的にためて、必要に応じて放出する電子部品です。
この性質によって、電圧を安定させたり、時間の経過を作り出したりと、回路のさまざまな場面で重要な役割を果たしています。
また、電源回路やタイミング回路など、実際の電子機器の中でも広く使われています。
コンデンサは、抵抗と組み合わせることで、さらにさまざまな働きをするようになります。
たとえば、入力や出力の信号が遅れて変化するRC回路があります。
このような動きも、コンデンサの性質が関係しています。
>>RC回路についてはこちらで詳しく解説しています
まずは「電気をためて、出すことができる」というイメージを押さえておくと、コンデンサの働きが理解しやすくなります。