組み込みソフトウェアとは何かについて説明します【需要は多いです】

組み込みソフトウェアとは何かを知りたい人
「組み込みソフトウェアの概要を知りたい。
どうすればスキルが身につくのかな。
求人とかちゃんとあるのかな。」

こういった疑問にお答えします。

本記事の内容

  1. 組み込みソフトウェアについて説明します
  2. スキルを身につけるために勉強すべきこと3点
  3. 組み込みエンジニアが求められる理由

この記事を書いている私は大学でソフトウェアを専攻し、その後ディスプレイの開発に20年近く携わりました。ディスプレイを駆動するソフトも関わった経験があります。

こういった私が解説していきます。

組み込みソフトウェアについて説明します

組み込みソフトウェアとはマイクロコンピュータ(以下マイコンとします)に搭載されるソフトとなります。
端的に言ってしまうとマイコンを制御するソフトです。

マイコンはCPUみたいなものという認識をして頂ければよいかと思います。

動作として入力も出力も0か1の信号を扱います。
(具体的には5Vで動作するマイコンでしたら5Vか0Vを扱います。)

入力端子や出力端子をどれにするかはソフトで決めることができて、例えば全部で16端子ありましたら、4端子を入力、12端子を出力にという風に使うことができます。

そして入力端子から入力されたデータや内部のデータから、ソフトで算出されたデータを出力端子に出力します。

言い換えますと組み込みソフトとはマイコンの端子を制御するソフトとなります。

組み込みソフトウェアとはマイコンに搭載されるソフトマイコンの端子を制御する

組み込みソフトは主にC言語が使われるのですが、通常のC言語との違いとあげると3つあります。

①表示できない
組み込みソフトはマイコンの端子を制御するだけですので、どこかに表示することができません。
つまり「printf」が使えません。

プログラム中の変数の内容をモニターしたいときは、デバッグ環境で実施する必要があります。

②マイコンの動作に従った記述がある
割り込み処理を例に説明します。

組み込みソフトでは割り込み処理を待つために、あえて無限ループに突入するという記述をすることもあります。

普通のC言語は無限ループに突入すると二度と帰ってこれませんが、組み込みソフトでは割り込み処理が入ることで強制的にメイン処理に戻ることができます。

こういった感じでマイコンの動作に従った記述がいくつかあります。

③メモリ制限がある
プログラムのメモリに制限があります。

例えば要素数がかなり多い配列を宣言しようとすると、マイコンによってはメモリが確保できずにエラーになることもあります。

メモリ容量を意識したプログラミングが必要となります。

スキルを身につけるために勉強すべきこと3点

組み込みソフトウェアのスキルを身につけるためにはどうしたらよいかということですが、実際にマイコンを動作する前に下記3点を勉強しておくことをおすすめします。

①C言語

組み込みソフトウェアの多くはC言語が使われます。
まずは普通にC言語を勉強することをおすすめします。

C言語を動作させるためにはコンパイラーのインストールが必要となりますが、無償で手に入ります。
パソコンがあればそれほど手間をとることなく勉強を始めることができます。

②マイコンの動作

プログラミングする上で必ずマイコンの仕様書を読む必要があるため、マイコンがどういう風に動作しているかを簡単に理解しておく必要があります。

マイコンの仕様書の内容が分からないと、割り込み処理などマイコンに搭載されている機能を使うことができません。

③マイコンの性能

目的に応じてマイコンを選定するためにはマイコンの性能を知っておく必要があります。

どれくらいの処理速度が必要か、メモリはどれくらいの容量か、端子数はいくつ必要かということを目的に応じて決める必要があります。

ただし最初はそこまで具体的なことを把握している必要はなく、世の中にどういったマイコンがあるかを軽く知っておく程度でOKです。

組み込みエンジニアが求められる理由

ほどんどの電化製品に半導体製品が使われておりますが、その半導体製品はマイコンへの置き換えが増えております。

つまりマイコンを使用するケースが増えているため、マイコンを制御するソフトウェア開発が必要となるという理由から組み込みエンジニアが求められています。

モーター制御をコントローラーICで実施していたのを、汎用性を持たせるためにマイコンへ置き換えたといった開発例もあります。

ここでソフトウエアを組み込む必要があるのにわざわざマイコンへ置き換える必要があるの?と思われた方もいらっしゃると思います。

確かにソフトが不要なコントローラーICで十分なところをわざわざソフトを組み込むマイコンを使うのは費用や時間がかかります。

しかしコントローラーICは基本的にカスタムとなりますので、開発するためにはICメーカに莫大な開発費を支払って、その上かなりの開発期間(おおよそ1年くらい)が必要となります。

また古くなって改変したいときや少し修正したいといったケースには柔軟に対応できません。

これがマイコンであれば汎用品であるため購入しやすいですし、修正したいときもソフトを変更するだけで対応できます。

こういったマイコンのメリットがあることからマイコンへの置き換えが進んでいます。

繰り返しとなりますがマイコンを制御するソフトウェア開発が多くなっており、組み込みエンジニアが求められています。

※半導体製品についてはこちらの記事をご参考ください。
>>【初心者向け】半導体とは何か、わかりやすくまとめました【簡単です】

まとめ

組み込みソフトウェアとは何かについて説明しました。

組み込みソフトウエアの需要はかなり高いので、普通のC言語とは少し違いがありますがスキルとして身につけておく価値はあると思います。

実際に組み込んで動作するところは、オシロスコープとかロジックアナライザなどの機器が必要となりますので、セミナーを受けたり実務に携わったりすることをご検討頂ければと思います。