【初心者向け】半導体とは何か、わかりやすくまとめました【簡単です】

半導体のイメージを掴みたい人
「半導体の概略を知りたい、イメージを掴みたい。
もう少し詳しく知りたいけど、専門知識とか勉強しなくても大丈夫かな。
この知識はどういう風に役に立つのかな。」

こういった疑問にお答えします。

本記事の内容

  1. 半導体とは何か、わかりやすくまとめました
  2. 専門知識がなくても簡単に理解できます
  3. 半導体という言葉を理解することで得すること

この記事を書いている私は、ディスプレイ用ICの開発を20年近くやってきました。
特許は20件以上出願、登録しています。

こういった私が解説していきます。

半導体とは何か、わかりやすくまとめました

半導体とは

半導体とは一言で言ってしまうと「ICの材料となる物質」となります。

ICは集積回路(Integrated Circuit)の略で、この回路にはトランジスタ、ダイオード、コンデンサ、抵抗が使われます。

コンデンサーや抵抗は半導体でなくても作れるのですが、トランジスタとダイオードを作るためには半導体が必要となります。

従いまして、半導体は「トランジスタとダイオードの材料となる物質」と言い換えることもできます。

半導体は「ICの材料となる物質」または「トランジスタとダイオードの材料となる物質」

参考:MOSトランジスタについてはこちらの記事で説明しています。
>>MOSとは何かについて説明します【イメージをつかみましょう】

ICが使われるところ

次にICが使われるところをご紹介します。

電気が使われる製品にはほとんどICが使われていると考えて差し支えないかと思います。

・パソコン、スマホ

パソコン、スマホにICが使われているのはイメージしやすいと思います。

例えばスマホですとメインの動作を処理するCPUやデータを保持するメモリの他に、ディスプレイを表示するIC、スピーカーを鳴らすIC、音声をデジタル信号に変換するICなどが搭載されています。

・家電製品

テレビ、掃除機、冷蔵庫、エアコンなどほとんどの家電製品にICが使われています。

例えばエアコンですと、温度センサーの信号を処理するIC、モーターを駆動するIC、設定温度と外部温度からエアコンを制御するIC、設定温度を記憶しておくメモリなどがあります。

一つの家電製品にもいくつかのICが使われています。

・自動車

自動車はエアコンやオーディオといったところにも使われていますが、ブレーキ制御、ステアリング制御、トランスミッション制御といった自動車の駆動に関わるところにもICが使用されています。

専門知識がなくても簡単に理解できます

半導体についてもう少し詳しく説明していこうと思いますが、専門知識がなくても簡単に理解できます。

難しい数式とかを使うのではなく、言葉を大切にしてイメージできれば良いからです。

具体例に説明してきます。

まず「半導体」という言葉ですが、「セミコンダクタ」と認識することが重要となります。

「コンダクタ」は「導体」です。
「セミ」は「準ずる」という意味で、例えば「セミファイナル」=「準決勝」となります。

つまり素直に「セミコンダクタ」を直訳すると「準導体」となります。

この認識をもとにして導体、半導体、絶縁体をまとめますと下図のようになります。

半導体は「導体に準ずるもの」という認識で、少し悪い言い方をしますと「導体もどき」となります。

従いまして「電流が流れにくい」とか「温度の影響を受けやすい」といった導体よりも劣る性質があります。

ではなぜその「導体もどき」を使うのかということですが、半導体にはホール(正孔)があるからです。

説明をかなり端折らせて頂きますが、自由電子だけでなくホールも存在することでダイオードやトランジスタをつくることが可能となります。

逆にいえば、導体ではトランジスタを作ることができません。
トランジスタを作ることができるので、わざわざ「導体もどき」である半導体を使うということになります。

ここでしっかり理解するためには量子力学とか必要ではないのかと思われた方もいらっしゃると思います。

私自身の半導体設計の実務経験からですが、実務ではシミュレーションや評価を実施してその結果を言葉できちんと説明することが大半で、数式を使って説明することはほとんどありませんでした。

確かに半導体を研究される方には必要となりますが、半導体の開発では言葉で表現することが重要となりますので、難しい数式とかはそこまで必要ではありません。

「半導体」=「ハーフコンダクタ」と認識するのではなく、「半導体」=「セミコンダクタ」=「準導体」と認識することで、簡単に半導体のイメージをつかめることが少し実感して頂けたのではないかと思います。

繰り返しとなりますが、半導体は専門知識がなくても簡単に理解できます。

半導体という言葉を理解することで得すること

①ニュースを理解することができる

例えばニュースで「半導体が不足している」と報道された場合、その内容を簡単にイメージすることができるようになります。

具体的には「ICの材料が不足している」とか「半導体製品が不足している」と置き換えて理解することができますし、イメージもつかめるようになります。

②半導体の市場がイメージできる

半導体は「導体もどき」=「電流が流れるもの」と理解すると、結局「半導体は電子部品である」と認識することができます。

「電気が使われる製品にはほとんど半導体製品が使われている」とご説明しましたが、「よく考えたら当たり前だな・・・」と感じることができるかと思います。

例えば「5G対応スマホが伸びるとそれに伴い(5G用の)半導体製品の需要も上がります。」といったことも、説明されるまでもない内容になります。

③技術者を目指すきっかけができる

「半導体は分かりにくい」と考えてしまうと、この分野を選択しようという気にはならなくなります。

しかし半導体という言葉をきちんと理解することで、「半導体はイメージしにくくてとっつきにくい」という認識から「なんか面白そうだな」という認識に変えることができます。

「少しやってみてもいいかな」と思うことで、技術者を目指すきっかけができるのではないかと思います。

まとめ

半導体とは何か、わかりやすくまとめました。

半導体について少しだけ認識を変えてイメージを掴んで頂くことで、ご自身の理解に役立てて頂ければ幸いです。